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2018/04/21

飾り瓦 ~屋根の上の時代の流れ~

瓦といっても、建物を雨風から守る実用的なものばかりではありません。

細工や模様を施した、一般に『飾り瓦』といわれるものです。その中でもよく知られているものが「鬼瓦」でしょう。屋根の一番高いところに飾られている、恐ろしい顔をした鬼瓦は魔除けとして用いられてきました。

7世紀末、飛鳥の寺院で使われていた最も初期の飾り瓦には蓮華文と呼ばれる蓮の花の模様を施したもので、蓮の花は釈迦の象徴であり、日本に仏教を広めたいとの願いがこめられていました。

また、平城京跡から出土した奈良時代の飾り瓦は獣の顔や全身が描かれています。奈良時代に普及した「鬼面文」と呼ばれる飾り瓦は、中国に古来存在する「邪気をはらって福を招く」神様によっている。荒々しい形相は、邪気や悪霊をはらう役割を託した表れでしょう。平安時代になると、顔に角を持つ瓦が表れ、以後その表情はより日本的、立体的になっていくのです。

南北朝時代になると全国に戦乱が広がり、飾り瓦には立体的で憤怒を帯びた「鬼」が現れるようになりました。

武家の世の中になると、それまで寺院中心だった飾り瓦の文化が城郭にも広がっていき、お城では「家」の繁栄を誇示するため、家紋をかたどったものが多く用いられるようになりました。

江戸時代に入り民家にも瓦が普及すると、「鬼を隣に向けるのは申し訳ない」と憤怒の表情の鬼は敬遠されるようになり、代わりに商売繁盛を願った恵比須様や分銅をモチーフにしたもの、火除けの願いを込めて「水」の文字が刻まれたものなどが現れるように。口から水を吐き火を消し止めるといわれる鯱も同じ理由から好まれました。他にも鳳凰、龍や鶴亀、桃や蓮といった縁起物が家を守るシンボルとして瓦に刻み込まれてきました。

この他に飾り瓦としてよく見られるものが鴟尾(しび)です。鴟尾とは瓦葺屋根の大棟の両端につけられる飾りの一種です。寺院・仏殿などによく用いられており、後漢以降、中国では大棟の両端を強く反り上げる建築様式が見られ、これが中国などの大陸で変化して3世紀から5世紀頃に鴟尾となったと考えられています。鴟尾は魚が水面から飛び上がり尾を水面上に出した姿を具象化したもので、屋根の上面が水面を表し、 水面下にあるもの(建物)は燃えないとの言い伝えから火除けとして用いられたと考えられています。

飾り瓦にはその建物に住む人々の様々な願いがこめられているといいます。様々なバリエーションの飾り瓦を見ることで、時代や世相を感じ取ることもできます。屋根瓦を観察するときの楽しみの一つとも言えるでしょう。

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